- Nobuo Hoshino's America Rail Trevelog
- アムトラック東行サウス・ウェスト・チーフ号乗車記
- フレッド・ハーヴィーの王国を列車で訪ねる
- 二日目 サウスウェスト・チーフ号、グランドキャニオン鉄道
- 夜明け前から飛び起きる
- 1998年6月21日の朝は東行サウスウェスト・チーフ(Southwest Chief)号のスタンダード・ベッドルーム(Superliner Standard Bedroom)で迎えました。未だ5時過ぎですが、降車駅のアリゾナ州フラッグスタッフ(FLG Flagstaff, AZ)到着予定時刻は6時22分ですので直ぐに着替えて食堂車に向かいます。食堂車に向かうと食堂車の貫通扉の硝子窓には食堂車の営業開始は午前6時という張り紙が有りました。仕方なくベッドルームに戻って食堂車の営業開始を待つ事になりました。
- フレッド・ハーヴィー(Fred Harvey)仕込みのサービスを受け継いでいるサウス・ウェスト・チーフ号の食堂車でしたが、今回は時間通りにはいきませんでした。
- 個室寝台に戻ってアルタモント社(Altamont Press)の時刻表(Southwest Region Timetable)で確認しましたが、列車の通過位置がが判りませんでした。列車の制限速度は時速90マイルですが通過速度は時速40マイル位です。このままでは列車のフラッグスタッフ到着に遅れが見込まれます。
- 午前6時になり、食堂車の営業開始時間になり、ボールペンを持って食堂車に向かいます。列車はカイバブ国有林(Kaibab National Forest)の中を通過していますが、相変わらず通過速度は上がりません。食卓に着席後、暫くして列車は停車してしまいました。注文した朝食もなかなか出て来ず、焦る気持ちばかりが募るばかりです。ようやく注文した朝食が出てきましたが、慌てて食べたので何を頼んで食べたのかも記憶に残っていません。
- 食事を終えて個室寝台に戻ると直ぐに列車はイースト・クロックトン(East Crookton, AZ)を通過しました。現在通過している線路が旧アチソン・トピーカ&サンタ・フェ鉄道(ATSF Atchison Topeka & Santa Fe Railway)現在はバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(BNSF Burlinton Northern Santa Fe Railway)、アリゾナ・デビジョン(Alizona Division)のセリグマン・サブデビジョン(Seligman Subdivision)です。
- フラッグスタッフ到着
- ようやく東行サウスウェスト・チーフ(Southwest Chief)号はフラッグスタッフに到着しました。時間は1998年6月21日7時35分で1時間強の遅れです。列車の編成が長い為、列車は駅の西側と東側の踏切を塞いだまま停車しています。私の乗っていた寝台車は最も後ろの客車なので荷物を担いで駅舎迄歩きます。
- 駅舎に入ると駅舎は改装されていました。駅の半分は観光案内所になっていました。直ぐにグランドキャニオンへの連絡バス(此のバスはアムトラックの運行ではなく、グレイ・ライン・ツアー(Glay-Line Tour)の加盟会社のナパ・ホピ・ツアーズ(Napa-Hopi Tours Inc. 当時)社の運行。但し、アムトラックでも予約可能。(現在は予約不可)の切符売場へ行きアリゾナ州ウィリアムズへの往復切符を購入しました。
- 連絡バスは駅の前で待っていました。此に乗ればウィリアムズ(Williams, AZ)のグランド・キャニオン鉄道(GCRY Grand Canyon Railway)のウィリアムズ駅に行ける訳ですが、此処に落とし穴が有りました。列車の遅れとロスのユニオン駅でチェックインを行った荷物の受け取りに時間を取られて連絡バスに乗り遅れてしまいました。
- 荷物を担いで走る羽目に
- 連絡バスの行方を目で追いながら、バッグを三つ担いでバスを追いかけます。バスは発車して直ぐに交差点を過ぎてバス・ターミナルの様な処へ入って停まりました。此処がナパ・ホピ・ツアーズのターミナルです。バスを追いかけて横断歩道で信号待ちをしていると、こちらを呼んでいるような声が聞こえました。バスに乗り遅れた乗客たちをナパ・ホピ・ツアーズのターミナルへ案内してバスに乗れる様にしています。
- 漸くターミナルに着き、停車中のバスに荷物を載せる事が出来、一息つく事が出来ましたが、今回の旅行が遅れに付き纏われる事を暗示していることは気づいていませんでした。
- ターミナルの建物の中も観光案内所になっていました。今回は時間が無く、詳しく観る事も出来ませんでした。
- バスに乗り込む
- 停車中のバスに乗り込み、車内の様子を確認した処、車内の入りは半分程度でした。殆どが外国人で日本人も数名乗車していました。
- 日本からグランド・キャニオン国立公園に行くのはパッケージ・ツアーでネバダ州ラス・べガス(Las Vegas, NV)からの飛行機及びバス利用が通り相場です。それ以外の方法はロサンゼルスからグレイハウンド・バス(Greyhound)で移動してフラッグスタッフのバス・ディーポから此のナパ・ホピ・ツアーズのターミナルに移動して現在乗っているバスに乗り込んでグランド・キャニオン国立公園に入ります。此の理由はフラッグスタッフ〜グランド・キャニオン国立公園間のバスの運行体制に有ります。バスの運行は夏期二往復、冬期一往復です。夏期でも午後にはグランド・キャニオン国立公園行は終車となる。このため、前日の夜か、当日の朝にフラッグスタッフに到着しておくことが前提となります。
- バスはウィリアムズへ
- バスはフラッグスタッフ駅で乗り遅れた乗客を拾ってターミナルを出発しました。フラッグスタッフの市街地を通過する旧連邦国道66号線(以後、 ルート66と記述)を西に向かいます。ルート66はフラッグスタッフの市街地で南に向きを変えます。バスもこれに洩れず南に向きを変え、インターステート40号線(以後、I-40と記述)のインターチェンジに向かいます。暫くしてバスはインターチェンジからI-40に入りすぐに複線の線路を高架で越えて行きますこの線路がBNSFの本線で今朝、乗車したサウスウェスト・チーフ号が通過してきた線路です。I-40に複線の線路は近づきます。進行方向左側の車窓にはフラッグスタッフ到着前に観た風景が拡がっています。バスは西に向かって快調にI-40上をウィリアムズに向かっています。緊張からくる疲れと緊張の弛みから眠くなってきますが、此処で寝てしまうとグランド・キャニオン国立公園迄寝てしまいますので、必死になって眠らないようにします。
- この付近はルート66が最も遅く迄残っていた地域でフラッグスタッフからウィリアムズ迄の約60%が残っています。BNSFの本線も付かず離れずでI-40に並行していますが、ウィリアムズ迄の乗車で列車のくる気配は無く、列車は来ませんでした。
- 到着したウィリアムズでは西部劇の真最中
- バスはI-40を快調に走り、ウィリアムズ市街北方のインターチェンジを降りて南下して、ウィリアムズ市街に向かいます。バスはノース・グランドキャニオン通り(North Grand Canyon Blvd.)を通過して、踏切の手前を右折してあっという間にグランドキャニオン鉄道ウィリアムズ駅に横付けします。バスが停まった事を確認して手に持った荷物に忘れ物が無い事を確認してバスから降りて駅の発券窓口に向かいます。
- 駅にはグランドキャニオンに向かう列車が待機しています。線路際の空き地では乗客の為の余興で西部劇が行われています。発券窓口での発券待ちの間に西部劇は終わってしまったので詳しい様子は解らずじまいです。
- 発券窓口でトラブルに気づく
- 発券窓口で並んでいる間にどうも荷物が軽いと思ったら、やはり一個足りません。フラッグスタッフ駅でバスの床下の荷物置き場に積み込んだ荷物が有りません。ウィリアムズでバスから降りる時に手に持った荷物に気を取られ、積み込んだ事を忘れてバスに積み込まれたままになって仕舞いました。思い出してバスに戻ろうとしてバス停に戻った時には、バスは次のトゥシャンに向かって発車してしまい後の祭りとなってしまいました。貴重品(パスポート、航空券、クレジットカード、予約確認書)とカメラとフィルムは手元に有りますので、旅行を中止する最悪の事態は免れました。
- 発券はトラブル無し
- バス停に戻ってから再び発券窓口に並びます。私の順番になり、旅行代理店から送られた予約確認書(FAXで一部は手書きで記入)を発券窓口に提示します。予約時にもクレジット・カードは通知してありますが、改めてクレジット・カードを再度提示します。旅行代理店の実績がものをいったのか発券はあっけなく終わりボーディング・パスを受け取りました。
- 列車の発車まで少し時間が有ったため、駅の内部を見て回ります。駅の内部は土産物店となっていてグランドキャニオン鉄道に関するもの、グランドキャニオン国立公園に関するものや此のウィリアムズを通過する米国の母なる道に関するものが置かれています。特に米国の母なる道やグランドキャニオン鉄道に関してはマニア度の高い書籍、雑誌や土産物が並んでいます。特に興味を惹かれたのがルート66マガジン(Route 66 Magazine)とジ・ウォー・ボネット(the War Bonnet)いう雑誌です。
- 雑誌を見てしまうと、時間を取られて列車に乗り遅れてしまいますので、帰りの楽しみに取っておいて荷物を持ってホームに向かいます。
- 初めてのダブル・ブッキング
- ウィリアムズのホームに横付けされているグランドキャニオン行き列車の各車輌の出入口に立っている客室乗務員に発券されたばかりのボーディング・パスを提示すると客室乗務員は**の車輌だと応答を返し、私を案内します。しかし、案内された車輌の座席に行ってみると、なんと既に先客が座っているではありませんか。私の座席は俗に云うダブル・ブッキングになっていたのです。毎回依頼する旅行代理店の社長は完璧に仕事をする人ですから今までダブル・ブッキングという事態には遭遇しませんでした。
- ダブル・ブッキングになっていたのは私だけではありませんでした。名古屋から来たOL二人組もでした。OL二人組と一緒になって客室乗務員に申告すると、客室乗務員はこちらを手招きして他の車輌に案内します。客室乗務員は適当に空いた席を探し、空席が有ったためこちらに座るように指示をします。かくして日本人三人が一つのボックス・シートにかたまってグランド・キャニオン迄行くことになりました。
- 列車の発車
- 座席に着いてまもなく列車はグランド・キャニオンに向かって発車しました。OL二人組とも話が弾みます。話を聞くとOL二人組は予約時から苦労の連続で、国内にある大手の旅行代理店ではいい返事を貰えず。仕方なく自分で現地にFAXと電話のやりとりをする羽目になったそうです。それにひきかえ、私の場合は毎回依頼する旅行代理店の社長に電話一本で済ませた上に、電話して二週間も経たぬ間に予約確認書が旅行代理店の社長の手元に来たと云う話をしたら、羨ましがられていた。
- 二日目 終
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- This page last updated on Jan 12, 2003
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- Text (C) Nobuo Hoshino
- Photo (C) Nobuo Hoshino