
久しぶりだから、ずいぶん書くことがありますよ。
リンコこと竹内玲子さん、講談社M澤さんの労により、「ニューヨーク案内」が講談社文庫で書き下ろし発売されることが内定しました。器が講談社ですからね、これはすごいことです。今Room−Sで連載されている「リンコのニューヨーク案内」とはまた別の、まったく新たな書き下ろし内容の原稿となる予定です。執筆がこれからですから、発売日などの詳細は未定ですが、SSKからのメジャー・デビュー第一号でしょうか。M澤さんに感謝しつつ、リンコさんには是非頑張って欲しいものです。そして、もしも有名な先生になっても、SSKを忘れないで欲しいと思います。みんなも応援してあげてください。
以前に「WS刊島田荘司」のBBSでお知らせしましたが、「21世紀の本格アンソロジー」を、光文社カッパノベルスで企画しています。瀬名秀明さん、森博嗣さん、痲耶雄嵩さん、氷川透さん、響堂新さん、柄刀一さん、霧舎巧さん、松尾詩朗さんなど、そうそうたるメンバーで、私が監修、責任編集をしますが、たぶん書きもするでしょう。この表紙の装丁デザイナーの候補に、tenさんも入っています。私は可能性が高いと思っていますが、実現すればtenさんもメジャー・デビューということになりますね。こちらもみんなで応援してあげてください。
007さんと、今Room−Sの大改装工事を行っています。これは掛け値なくすごいものになります。仮想Movie「異邦の騎士」公開時以上にみなさんを驚ろかせることになるでしょう。FLASHを多用した、ヴァーチャルなエンターテインメント建造物となりますが、アメリカをはじめとする海外のサイトにも、まずこれだけのものはないのではと思われるほど、世界最高水準を行くものです。
来訪者は、Room−Sを見物したら、アドヴァンスト・エレヴェーターに乗って「7」を選択、地下深くに降りていきます。するとここに、Room−007と呼ばれる秘密施設が待っています。施設各部屋にはさまざまな謎が隠されていて、現在これらは埋設中ですが、たとえば廊下には監視カメラが2台あって、これに捕らえられると警告ブザーが鳴ります。しかしこのカメラは、銃弾を撃ち込んで破壊することができます。1台について7発ずつの弾を撃ち込むと、消滅と同時にとんでもないことが起こります。
ただしこれは、ブラウザが5以上でないと起こりません。だからみなさんは5以上のインストールを考えみて欲しいのですが(これ自体はごく簡単です)、ここまで進んでくると、FLASHを読み込めないPCでは充分に楽しめないし、一種のディジタル・ディヴァイドが起こってくるのかなという懸念は抱きます。これは遊びですから、教養主義などと結びつくことは絶対にないでしょうし、それを理由にサイトの技術発展を非難する昔型の平等発想にも賛成はできません。そもそもNETというもの自体が、キーボードが苦手な人には入れない世界なのですからね。だから将来に向け、楽しめる人は優越感など持たず、楽しめない人に配慮したり、導いてあげたりして欲しいものです。
Room−007の各部屋は、シークレット・エイジェントの調査ファイルのストック室になっていて、「ギリシャの犬」に現れた暗号の、画像による検証データ、「異邦の騎士」の現場踏査記録などが、管理人007号によってすでに公開準備を終了しています。もちろん仮想Movie「異邦の騎士」を、常時上映している映写室もあります。
今度は地下秘密サロンにチャットやBBSも用意されます。さらに、将来に向けた拡張計画はさまざまにあって、Pattyちゃん人形がトコトコ現れて、翻訳の現状を報告するコーナー、御手洗さんレオナちゃん、里美ちゃんに石岡くんも、動くカートゥーンとして登場する予定があります。むろん新作Movieの計画もあります。
上下2層の施設には、音楽もふんだんに用意されます。これらは全面的に四次元さんの担当です。地下施設Room−007の工事現場では、すでにジェイムズ・ボンドのテーマががんがん流れていますが、地上のRoom−Sでは、25年も前に私が作った幻の曲、「Lonely
Men」が流れる予定です。当時の唄譜が出てきたので、四次元さんがもっかアレンジ中です。20年以上昔の曲が、21世紀の今、四次元さんのPCによってMIDIとして甦るのはちょっとした事件です。
そのほかにも、仮想Movie「異邦の騎士」のために四次元さんが作曲した音楽も、各部屋で聴けます。これは、現在Movieの中で聴けるものとはまったく別のアレンジで、大変よい出来です。
新装Room−S、公開日はまだ決まっていませんが、近々オープンします。オープン日時が決まったら、またカウント・ダウンをしましょう。楽しみに待っていてください。Room−Sの充実は、2人の今の頑張りにかかっています。是非みんな、声援してあげてください。
さて、次は大注目の「パロサイ2」についてです。正式タイトルは「御手洗パロディ・サイト事件2、パロサイ・ホテル」とします。全収録作品を最終決定しました。以下の通りです。
非常な力作が集まり、南雲社長も大変感謝しています。内容は、プロのミステリー文壇の現在の水準にもまったくひけをとりません。だから選に漏れた方も、決して力を落とすことなく、次回また挑戦していただければと思います。今回は異様に水準が高かったです。その意味では、落ちた方は不運でした。しかし、SSKの底力を実感させられましたね。
以下は、すでに上巻・下巻に振り分けていますが、収録順は今後変化する可能性があります。各作家の筆名も同様です。
上巻
七年前の選択に対する回答 安藤晃弘
ジョーカー 中川淳一
名もなき騎士のために 船引良祐
忍者屋敷 山田
消えなかった『キ』 松尾詩朗
空に消える/冬のオルカ あさなぎ
それが恐い 青田歳三
小さな救いの手 江馬栗栖
fOの悪夢 高槻榛襾
横浜奇談 北川浩二
the rising of the curtain カスミ
トロイメライの鈴 極楽桜丸
時の密室 Exit
下巻
動物園の密室 霧舎巧
ト形館の犯罪 松尾詩朗
火事場の水死体 007
この花の咲く木の下 竹内玲子
呪われたカラオケ館 優木麥
明晰夢 鍋澤純子
作家と探偵の聖夜 美帆ライト
極楽食堂 杉永裕章
雪に吊られた男 小島正樹
温泉天ぷら談義 角田妃呂美
The Stolen Essay Crystal Stevenson
幻想の塔の天使 香乃瀬たくみ
それから石岡先生ファンの方、お待たせしていました。「石岡和己攻略本」がやっとできました、とおなじみT橋虫麻呂編集者より連絡がありました。現在見本は、フェデラル便にて太平洋上をこちらに向かっているようです。したがって現物はまだ見ていませんが、これは大変安くて、面白い本になっていると思います。指定はG、お子様にも安心です。石岡君のお勧め、関内の散歩3コースなど注目です。価格は700円、発売日は首都圏5月21日、これ以上の詳細は、今後季刊onlineで見て
ください。
この散歩コースについては、近くさらにエッセイを書き、私にくれると石岡先生は言っていますが、本当でしょうか。里美ちゃんが撮ったデジカメ写真もあるという話です。もし実現するなら、これはWS刊島田荘司に「貴賓室」を設けて公開しようかと、杉永さんと話しています。
「石岡攻略本」に続いて原書房では、やはりアメリカン・ペイパーバック・スタイルで「御手洗カフェ」を発売する計画があります。秋には大幅加筆した「ロシア幽霊軍艦事件」も発売の予定です。こちらの方が早いかもしれませんね。
レイテッドR(成人指定)、危険な香り漂う禁断のレオナ本、「ハリウッド・サーティフィケイト」は、ゲラの朱入れも終わり、私の手を離れてすでに角川編集部に届いています。しかしどうも角川の旧体制のせいもあって、発売日が決まりません。来月にだって出せるのですが、ちょっと遅れるかもしれませんね。決まればまたご報告します。
季刊となって、近く新装スタートする東京創元社「創元推理」に、私の名前があることが最近BBSで話題になっていましたが、これは「本格ミステリーはいかなる思想を持つか」と題したエッセイです。150年前のモルグ街の精神を定義づけ、これをもってテクノロジー新世紀の今を俯瞰した際に、これまでに試みられていない本格創作の方法は発見できないかと検証したものです。光文社の「21世紀の本格アンソロジー」も、この考え方によって発想し、人選をしました。
では今回はこんなところで。
2001年5月11日 島田荘司