台湾の定義

台湾は、従来から台湾人の台湾、中国の台湾や中華民国の台湾などと主張されてきた。
ここに来て現政権による新しい「大人」の定義が加わったらしい。

台湾=中華民国=中華台北

馬英九台湾総統は就任1周年の記者会見席上において台湾=中華民国の見解を披露した。 これは一種の意外な発言である。馬氏は国民党流亡政権の遺伝子を受け継いでいると見られているからだ。おまけに、「反攻大陸」の夢も捨てたらしい。

台湾は国際舞台において台湾または中華民国と自称する困難に直面してきた。中国が中国の台湾を主張しつづけているからである。中国の世界進出とともに国際社会における台湾のプレゼンスがあらゆる形で局限されてきた。

馬総統は台湾=中華台北の合理性も主張した。

中華台北は、目下、台湾が国際舞台において使用できる唯一の自称である。台湾を意味する中華台北という呼称は妥協の産物でしかないが、この使用法は国際社会においてもじわじわ浸透している。 しかし、中華台北の台北を現実的に理解するならば、中華民国の台北しかこの世には存在しないから、台湾の台北ともなる。 つまり、

台湾=中華民国=中華台北=中華民国の台北=台湾の台北
の表現が成り立つ。これは「大人」の定義と呼ぶしかない。

今年度のWHAは5月にジュネーブで開催されたが、台湾は中華台北の名称でオブザーバーを派遣した。WHAのオブザーバー資格取得を台湾の馬総統はやっと「大人」になれたと表現し、国の名称は二の次だと一蹴して意にも介しなかった。

中台間では新式の国共合作が進行中である。群衆は時に置き去りとなる。ご都合主義の定義づけはいずれ効力を失うに違いないが、そのミスリーリングな影響力は心配の種である。

2009.5.22 Consami