3月の星座
かに


冬の厳しい寒さがゆるみ、春の気配を予感する3月の夜半前、春の星座のトップバッターかに座が天頂近くに南中する。4等以下の暗い星ばかりで忘れてしまいそうなかに座だが、ラッキーだったのは、黄道上にあったこと。おかげで5000年前の古代バビロニア時代から、かに座として存在している歴史のある星座なのだ。
かに座を探すのはそんなに難しくない。ふたご座のポルックスとしし座のレグルスの中間あたりに、星雲状のぼやっとした天体が見つかれば、それがかにのこうらだと思えばいい。実はかに座のγ−δ−θ−η星がつくる四角の中にある散開星団M44が肉眼でかすかに見えているのだ。この星団プレセペの名前で知られている。
かに座は、ともだちで9本の首を持つ怪物ヒュドラと、レルネーの沼で平和に暮らす化けガニのことだ。ところがひょんなことから事件に巻き込まれ命を落としてしまうことになる。事件とは、勇者ヘルクレスの冒険物語の第2番目の相手が、ともだちのヒュドラだったことから始まる。
ヘルクレスとヒュドラとの戦いは壮絶だった。最初のうち互角に戦っていたヒュドラだが、さすがにヘルクレスの怪力にはかなわなかった。そのようすをものかげから見ていた、気は小さいがりちぎな化けガニは、ともだちのピンチを救うために思わず飛び出すと、はさみでヘルクレスの足をありったけの力で挟んだのだった。ところが足にくすぐったさを感じただけのヘルクレスは、カニを振り払うとその大きな足で踏み潰してしまった。ぺちゃんこになったともだち思いの哀れなカニを見た女神ヘラは、天に上げて星にしたという。
 なんだかとっても哀れなカニ君だが、友達のヒュドラ君を助けようと、勝てないとわかっていながら巨人ヘルクレスの足を挟みに出て行った、勇気には感服せずにはいられない。
無駄死にすることはないと言われようと、逃げればいいのにと言われようと、ヒユドラ君を助けずにはいられなかったカニ君の自己犠牲的友情を、私も見習いたいと思う。


今月の見どころ

今月の星空

今月の惑星




メール送信

トップページへ