8月の星座
わし

 昼間の暑さが一段落する午後10時ごろ、夏の大三角形がほぼ天頂に南中する。この夏の大三角の形一番南に位置する星が、わし座のα星アルタイルだ。天頂まで首を曲げて夏の大三角を見つけるのがつらい人は、南を向いて首を65゜あたりまで曲げてアルタイルを見つけてしまう方が楽だろう。

 アルタイルの意味は、“飛ぶわし”。これはこと座のα星ベガの“落ちるわし”とともにペアで付けられた。なぜアルタイルの方が“飛ぶわし”になったのか?それは、ベガとそばのεとζ星を結んでできる小さな三角が、羽をたたんで落ちるわしに見えたのに対して、アルタイルと両側にあるβとγ星でできる三つ星が、ほぼ一直線に並んで、羽を広げて飛んでいるわしに見えたからなのだろう。東洋ではアルタイルは、七夕の“ひこ星”、ベガは“おりひめ星”となっていて、西洋でも東洋でもこの2星をペアとして扱っているところがおもしろい。

 さて、現在のわし座は、アルタイルの三つ星だけではなく、もっと大きな星座になっている。ギリシャ神話では、大神ゼウスが自分の身の回りの世話をさせるために、トロイヤ家の王子で永遠の美少年とうたわれたガニメデを誘拐する時に変身した、わしの姿だとされている。わし座の星座絵には、ガニメデ少年もいっしょに描いたものもある。

 わし座、全体の半分以上を天の川に浸しているにもかかわらず、ふしぎなことにメシエ天体はおろか、小口径で楽しめる星雲・星団が見当たらない。そんな中でγ星の西側にある逆コの字型をした暗黒星雲、B142、143がよく写真に写されるようになってきた。このあたりは天の川が濃いので、暗黒星雲のコントラストよいため、空が良ければ双眼鏡でも確認できるだろ。


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