5月21日(月)金環日食

月が太陽を隠す日食

 日を食べると書いて「日食」。誰が日を食べるのかといえば,それは「月」。
 昔インドでは、大きな龍が日を飲み込むために起こる不吉な現象とされ、日食が始まるとどらや太鼓をたたいて、この龍を追い出したという。

 日食とは、月が太陽と地球の間に入り込むために、月が太陽を隠してしまう現象である。つまり、日食は太陽-月-地球が一直線に並ぶ新月のときに起こる。とはいっても新月になるたびに必ず日食が起こるというわけではない。それは、月の通り道である白道が、太陽の通り道である黄道に対して約5°傾いているために、白道と黄道の交点付近で新月にならないと、太陽と月とが重ならないからだ。

 さらにドラマティックにしているのは、太陽と月の見かけの大きさがほとんど同じであるところにある。実際の大きさは、太陽は月の約400倍もあるのに、地球からの距離は月は太陽の約1/400しかないからである。しかも、地球は太陽の周りを、月は地球の周りを楕円軌道で回っているために、地球に近づいたり遠ざかったりして微妙に見かけの大きさが変化する。だから私たちはいろいろなパターンの日食を見ることができる。これはもう神様から贈られた奇跡としか言いようがない。
●皆既日食
 太陽より月の方が視直径が大きい場合は、太陽が月によって完全に隠されるために、あたりは薄暗くなり日頃はみることができないコロナが太陽の周りに広がる。
●金環日食
 見かけの大きさが太陽より月の方が小さい場合は、月が太陽を隠し切れず太陽が月のまわりにはみ出すため、金色のリングのような太陽を見ることができる。

★2012年5月21日 日本で金環日食
 1987年9月23日の沖縄金環日食以来、実に25年ぶりに日本から見ることができる金環日食が、2012年5月21日に起こる。東海地方で金環日食が見られるのは、なんと932年ぶりのことだ。
 金環帯は、中国南部トンキン湾から、日本の九州南部、四国、近畿、東海、関東、東北南部を通り太平洋に抜け、北アメリカに中央部まで延びている。金環帯が通る県庁所在地は、鹿児島・宮崎・高知・徳島・和歌山・神戸・大阪・奈良・京都・大津・津・名古屋・静岡・甲府・前橋・さいたま・横浜・東京・宇都宮・千葉・水戸の22市に及ぶ。これは、日本の人口の70%の人たちが、いながらにして金環日食を見ることができることを意味している。
 名古屋では、東の空に昇った太陽が、6時18分に欠け始め、7時30分に太陽の両端がつながり、ゴールドリングとなる。リングの状態はおよそ3分38秒続き、7時34分にはリングが切れる。その後太陽はゆっくり太って行き、8時57分にはもとの円い太陽に戻る。
金環日食の魅力は、太陽が徐々に欠けてゆき、月が太陽の前に入り込むにつれ、三日月状に細くなった太陽の両端が、細く長く弧を描くように伸びて、やがてつながる瞬間のなんとも言えなさにある。これは見たものでなければわからない感動である。

 東海地方で見られるこの次の金環日食は、2041年10月25日まで起こらない。
  
★日食を観望するには
 日食で太陽が欠けて行くようすは、まぶしすぎて直接見ることはできない。問題は,あのまぶしすぎる太陽を、どうやって目に優しい明るさにまで減光するかだ。失明の危険をはらむ太陽観望なだけに十分注意をするとともに、しっかり確認しておこう。
 私が子供のころからよく使った方法は、黒い下敷き・黒いビニール袋・フィルムの黒い部分・ガラス板にろうそくなどのススを付けたものなどだが、十分減光はするものの目に有害な波長の光線を透過することに問題がある。現像済みフィルムの未露光の黒い部分は、モノクロフィルムはOKだが、カラーフィルムは赤外線を透過するということで却下。
 他の減光方として、音楽CDやCD-ROMを通して見るという方法もあるが、CD表面の印刷種類によって使えるものは限られるし、赤外線問題もある。カメラ用のNDフィルターは安全なようだが、やはり赤外線は通してしまう。結局身の回りにあるほとんどのものは、赤外線を通してしまうため、使用しないほうが無難だということだ。
 ではどうするか。以外にも昔から使われている方法が目にやさしいようだ。たとえば木漏れ日を見る方法。木の葉の間や、小さな孔を通過した太陽光線は、ピンホールカメラの原理で地面に欠けた太陽像を映す。これをもう少し積極的に利用して、ラップの芯の片側にアルミホイルをかぶせピンホールを空け、もう片方にトレーシングペーパーをかぶせて、そこに太陽像を投影するという方法がある。
 しかしベストは、日食グラスや日食メガネ等の商品名で販売されている太陽観望グッズか、眼使用の太陽フィルターを使うことだ。フィルターは日食グラスや日食めがねという商品名で販売されている。
 
 

★絶対に日食グラスや日食メガネをかけて、
 双眼鏡や望遠鏡をのぞいてはいけない!


 金環日食は、皆既日食と違い、太陽と月が完全に重なっても、太陽の一部が見えているため、ほとんど暗くならない。金環日食が起こっていることを知らない人は、周りの明るさの変化におそらくまったく気がつかないだろう。
 つまり金環日食では、金環食になったときも、日食メガネが必要であるということだ。また、日食メガネや日食グラスでも、長時間見続けることはやめよう。さらに日食メガネをかけたまま、歩き回ることは危険なので、絶対にやめよう。
 うす曇で、日食メガネや日食グラスでかけた太陽が見えないときは、直接見たくなるが、これはとても目によくない。
 見る時間は最小限にとどめ、まぶしさを感じたら、すぐ太陽から目を離すこと。
自分の目は自分で守ろう。
 


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