星の風物詩

春の夜空に舞い上がる北斗七星

北斗七星・・・・・星好きでなくても一度や二度は耳にしたことはあるよね。JRの寝台特急、アニメでは北斗の拳、冷蔵庫にも北斗星、ウルトラマンエースのヒーローの名は北斗星児なんてのがあった。
この北斗七星が5月の宵、北東の空高く昇る。北斗七星ってのは、読んで字の如く7つの星がひしゃくの形に並んでいるって訳だ。これは中国で付けられた名前で、「斗」とはますのこと。つまり4つの星でますを作り、3つの星を柄と見ている。奈良県明日香村のキトラ古墳で発見された天体図にも北斗七星が描かれていて話題になったのは記憶に新しい。古代中国では天の車ともいって、天帝が乗る馬車のことでもあった。
北斗七星にはいろいろな名前がある。ひしゃく星、七つ星、七曜の星、四三(しそう)の星、7人の和尚、7匹のブタ、舟星、舵星、シチューナベ、肉きりぼうちょう、荷車、ダビデ王の戦車などなど。あなたには何に見える?
ところで、しっぽの先から2番目の2等星ミザールは、すぐ横に4等星のアルコルがくっついている肉眼二重星だ。昔アラビアではこの星を徴兵のための視力検査に使ったという。二つに分かれて見えたら合格というわけだ。でも考えてみたら見えないほうが幸せか?
北斗七星にまつわる神話伝説は世界中で語られている。そのいくつかを紹介してみよう。

●北斗七星物語(韓国)
年頃になった息子のために父親は家をプレゼントした。ところが予算をケチったために出来上がった家は欠陥住宅。家はゆがんでいたのだ。それを見た息子は怒り狂いカナヅチを振り上げて大工を追いかけた。それを見た父親は、そんな息子を止めるためにあとを追ったという。北斗七星の水を汲む部分とその北にある星でできる五角形がゆがんだ家、柄にあたる3つの星が、家に近いほうから、父親・息子・大工となるわけだ。

●北斗七星物語(中国)

「無実の息子を助けて欲しい」と、老婆が一行上人に助けを求めてきた。そこで一行は、寺の男たちに、夕方町外れの広場に空から落ちてくる7匹のブタを1匹残らず捕まえさせ、寺の大きなカメに閉じ込めた。その夜、北斗七星がなくなったことに気がついた皇帝は、不吉に思い、さっそく一行上人を呼んでどうしたらいいかを尋ねた。すると一行上人は、「これは一大事です。ひょっとしたら無実の者が死刑を執行されるのではないですか?」とこたえた。あわてた皇帝は、老婆の息子をすぐ釈放した。一行は、寺に戻ると、カメのフタをあけて、閉じ込めていたブタを天に帰してやったという。

●北斗七星物語(アラビア)

父親を殺された3姉妹は、恐ろしい復讐を計画した。3人は棺を先頭に葬式の行列を作って、犯人の家のまわりを、すすり泣きながら夜毎回ろうというのである。復讐は見事成功し、犯人はノイローゼになり家から一歩も外へ出られなくなってしまった。北斗七星の水を汲む部分が棺、柄の星が3姉妹というわけだ。犯人はもちろん北極星である。
北斗七星物語(フランス)
二人のドロボウが、牛を2頭盗んだ。それに気がついた農夫は、すぐ下男に捕まえてくるように言いった。ところがいつまでたっても帰ってこない。こんどは牧場の番人が、犬を連れて追いかけ始めまた。ところがだれも帰ってこない。待ち切れなくなった農夫は、とうとう自分で追いかけ始めたという。北斗七星の水を汲む部分の4つの星がドロボウと牛、柄の3つの星が、下男、番人、農夫だが、番人は二重星ミザールにあたり、犬は伴星のアルコルというわけだ。

北斗七星物語(ドイツ)
昔荷馬車屋のハンスという男がいた。ハンスは生前みすぼらしい男に化けたキリストを助けたことから、死んだあと天国でのんびり暮らすことができた。ところが、のんびり暮らすことが性に合わないハンスは、ゼウスに馬車をもらい、毎日それに乗って天国中を駆け回って楽しんだ。北斗七星の水を汲む部分が馬車で、柄の3星が馬、アルコルがハンスというわけだ。

●北斗七星物語(アメリカ)

腹をすかせた3人のインディアンは、冬眠から覚めて穴から出てきたくまを見つけると、しめたとばかりにつかみかかった。びっくりした熊はあわてて、空に駆け上がった。それを見たインディアンも逃がすものかと、先頭のインディアンは弓に矢をつがえて、2番目はなべを振りかざして、そして3番目は火をつけたたきぎを持ってそれに続いたという。ここでは水を汲む部分が熊、柄にあたる3つの星がインディアンとなる。



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